プロフィール

     金澤晋二郎

 

 東京大学、鹿児島大学を経て九州大学大学院(農学部)教授となる。専門は土壌微生物、土壌生化学など。

退官後、同大学特命教授に。

第13回国際土壌科学会(西ドイツ)土壌生物部門最優秀賞受賞。

現在、サントリーの「天然水の森」の研究員。2015年に開催される国際学会「ICOBTE」理事長。 

私は長いあいだ大学で土壌微生物学の研究をしてきました。そのなかで、自分の研究や共同研究という形でさまざまな有機物の堆肥化を行ってきました。

 

平成13年に学内で行われた「九州大学研究拠点形成プロジェクト『超高温・好気発酵法による有機性廃棄物の資源化新技術の創生 -キャンパス・ ゼロエミッション・システムの構築に向けて』の課題で採択され、「バイオハザードフリー」という肥料を作り市民のみなさまにお配りしたところ、みなさまの反応が予想を超えたものでした。

 

この経験をもとに、私は大学を退官後に特任教授という形で大学に残りながら、自ら研究所を立ち上げて、実用的な「ものづくり」をはじめました。運営はすべて自費、研究一筋できた私に商品開発は簡単なことではありませんでしたが、多くの方たちの協力を得ながら研究・開発を進めてまいりました。

 

まず着手したのは、とにかく「土を健康にする」ことでした。さまざまな現場で土の汚染を目の当たりにしていたからです。どんな研究も、実用されなければ意味がありません。賛同してくれる研究者や企業の方々のお陰で、さまざまなジャンルのチャレンジを行っています。

 

「植物の母体である土を健康にすること」が農学分野の「予防医学」ととらえ、長年の研究で編み出されたレシピをもとに天然素材をブレンドし、研究・開発したHT菌で発酵する製法で完成したのが「土の薬膳®」です。コンセプトは「食卓に置いても安心な、クリーンで高機能の有機肥料」です。

 

原料は、すべて食卓にあげることのできる天然素材です。化学肥料はすぐに効果が現れますが、土を汚染して植物にも大きく負担をかけます。薬膳肥料は土に滋養を与え、植物にじっくり栄養を与えることで免疫力を高め、連作障害や病害虫に負けない体をつくります。自然の恵みとバイオ技術の融合で作られた肥料は、土と植物のための「薬膳」なのです。

 

2015年、「土の薬膳®」をより使いやすい培養土の形にしたBIOSOILシリーズを作りました。コンセプトは「機能はプロ、扱いは初心者級」であることを重視いたしました。

 

有機栽培の土は匂いがあって当たり前なのではありません。きちんと熟成したものは匂いがほとんどありません。有機栽培とうたっている野菜のなかには、未熟な堆肥を使うことにより大腸菌や抗生物質耐性菌が残っているものを目にします。

 

小さな子供が素手で触っても安心で、家庭の庭や室内でも快適で安心してお使いいただける園芸ツールを作ることは、食育や地球環境の保全にも役にたつものだと思っております。

 

私の研究の現場でも、ここのところの加速する地球環境の汚染は目に余るものがあります。私たちは土はあって当たり前のように思うかもしれませんが、土が1cmできるまで、なんと500年の歳月がかかるのです。この地球を崩壊から守るためには、わたしたちひとりひとりが土を大切にして、生き生きとした緑を育むことが近道なのではないでしょうか。

 

金澤バイオ研究所は、そのお手伝いをすることが第一の目標としています。